レガシーCOBOLを「正確に」モダナイズするAIの登場——変数名の謎まで解き明かす新アプローチとは?

数十年稼働し続けるCOBOLシステムのモダナイズに、自らの変換精度を証明できるAIが登場。日本の金融・行政システムにも深く関わる課題を解説。

「動いているコードは触るな」——そのツケが今、回ってきている

銀行の勘定系、社会保険の給付計算、税務申告の処理——。これらの基幹システムの裏側で、今も静かに動き続けているプログラミング言語があります。COBOL(Common Business-Oriented Language)です。

1959年に生まれたこの言語は、60年以上を経た今でも世界の金融・行政インフラの根幹を支えています。米国連邦準備銀行の試算では、世界中のCOBOLコードは約800億行にのぼるとされており、日本でも大手銀行や官公庁の多くが今なおCOBOLベースのシステムを稼働させています。

問題は、そのコードを読み解けるエンジニアが急速に減少していることです。COBOL開発者の平均年齢は年々上昇し、若手エンジニアはそもそもCOBOLを学ぶ機会がほとんどありません。「2025年の崖」として経済産業省が警鐘を鳴らしたレガシーシステム問題の中核に、まさにCOBOLは位置しているのです。

「現代化」の落とし穴——変数名「CUST_ID_X」の謎

COBOLのモダナイズ(現代化)とは、古いCOBOLコードをJavaやPythonなど現代的な言語に書き換えることを指します。しかし、これが一筋縄ではいきません。

たとえば、こんな変数名を考えてみてください。

```

CUST-ID-X

```

`CUST` はおそらく Customer(顧客)、`ID` はそのままID。では末尾の `X` は何を意味するのか? ドキュメントはなく、担当者はとっくに退職しており、コードのコンテキストから推測するしかない——。これがCOBOLモダナイズの現場で日常的に起きていることです。

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