NHS職員がPalantir製医療データ基盤の使用を拒否——倫理問題が問いかける「医療×ビッグデータ」の未来

英国NHSの職員がPalantir社製の医療データ統合基盤「FDP」の使用を倫理的懸念から拒否。医療データとビッグテックの関係が世界的に問われる中、日本への示唆を解説。

英国で起きていること

英国の国民保健サービス(NHS)で、現場の医療スタッフたちが異例の行動に出ています。NHSが導入を進める「Federated Data Platform(FDP)」と呼ばれる医療データ統合基盤の使用を、倫理的な懸念を理由に拒否するケースが相次いでいるのです。

問題の核心は、このFDPの開発・運営を担っているのが、あのPalantir Technologies(パランティア)であるという点です。Palantirはビッグデータ分析の世界的大手として知られる一方、米国防総省やCIAとの深い関係、移民監視システムへの技術提供など、監視・軍事利用との結びつきを長年指摘されてきた企業です。

英フィナンシャル・タイムズの報道によると、一部の医師や看護師、医療行政スタッフが「患者の機密データをPalantirのようなシステムに委ねることへの倫理的問題」を声高に訴え、現場での実質的なボイコットにまで発展しているといいます。これは単なる技術的な問題ではなく、「誰が医療データを管理すべきか」という根本的な問いを社会に突きつけています。

なぜこのトレンドが日本にとって重要なのか

一見、英国の国内問題に思えるこのニュースが、なぜ日本の私たちに関係するのでしょうか。理由はいくつかあります。

1. 日本も「医療DX」の真っ只中にある

Loading...
NHS職員がPalantir製医療データ基盤の使用を拒否——倫理問題が問いかける「医療×ビッグデータ」の未来 - TrendBridge